専門分野
総合内科、循環器内科、心臓リハビリテーション
金子 明弘(かねこ あきひろ)
「心臓が悪いのに運動して大丈夫?」
そう思われる方は多いのではないでしょうか。
かつては心臓病の方には安静が第一とされていました。しかし、動かないでいると筋力が落ち、日常のちょっとした動作でも心臓に大きな負担がかかるようになります。その結果、さらに動けなくなり、心臓の機能も低下するという悪循環に陥ってしまいます。
心臓リハビリテーションは、医師の管理のもとで適切な運動を行うことで、この悪循環を断ち切り、心臓の負担を軽くしながら体力を回復させるプログラムです。心筋梗塞や狭心症の治療後、心臓手術後の方は、運動を行った方のほうが、再入院率が低いという報告もあります。
など
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当院の院長は、加古川中央市民病院で心臓リハビリテーションの本格的な運用に携わってきました。当時から「大きな病院まで通わなくても、身近なクリニックで心臓リハビリを続けられる環境が必要だ」という思いがありました。
2020年の開院時から心臓リハビリに取り組んでいますが、当時はクリニックで心臓リハビリを行っているところはまだ少ない状況でした。兵庫県尼崎市のかねこ内科循環器クリニックでは、病院と同等レベルの安全管理のもと、通いやすいクリニックで継続的なリハビリを受けていただける体制を整えています。
心臓リハビリを始める前に、心肺運動負荷試験(CPX)を行います。自転車型のマシンで運動しながら、心電図、血圧、呼気ガスを同時に測定し、心臓と肺がどの程度の負荷に耐えられるかを詳しく調べます。
この検査結果をもとに、「どの程度の運動強度なら安全か」「有酸素運動から無酸素運動に切り替わるポイントはどこか」を把握し、お一人おひとりに合った運動プログラムを作成します。
リハビリ室にはエアロバイクを4台設置しています。1回のリハビリでは、準備体操の後、20~25分間の有酸素運動を行います。エアロバイクは転倒の心配が少なく、膝や腰に不安のある方でも比較的安全に運動できるのが特徴です。
リハビリ中は、お一人おひとりに心電図モニターと血圧計を装着し、常時状態を確認しています。看護師はタブレット型のポータブルモニターを持ち、そばで見守りながら運動負荷の調整を行います。診察室でも医師が心電図をリアルタイムで監視しており、万が一の変化にもすぐに対応できる体制を整えています。
心臓リハビリは継続することが大切です。理想的には週3回程度の運動が望ましいとされていますが、毎回クリニックに通うのは難しい方も多くいらっしゃいます。
当院では週1回の通院リハビリに加え、ご自宅でも週2回程度の運動をおすすめしています。特別なトレーニングでなくても構いません。転ばないように気をつけながら歩く、買い物に出かけるなど、外に出て体を動かすだけでも十分なリハビリになります。
有酸素運動に加えて、ゴム製のベルト(セラバンド)を使った軽い筋力トレーニングも取り入れています。日常生活で必要な筋肉を鍛えることで、立ち上がりや歩行がスムーズになり、QOL(生活の質)の向上に繋がります。ご自宅でも続けていただけるよう、やり方をお伝えしています。
膝や腰に痛みがある方は、無理に運動をすると症状が悪化することがあります。当院はクリニックモール内にあり、同じフロアに整形外科がありますので、必要に応じて整形外科で状態を確認していただいた上で、安全にリハビリを進めることができます。
当院で心臓リハビリを受けている方の中には、寝たきりになりかけていた方が、早めにリハビリを始めたことで、また自分の足で歩けるようになったケースもあります。
心臓に病気があると、どうしても自信を失い、動くことを避けがちになります。しかし、適切な運動を続けることで体を動かせるようになると、外出にも前向きになれます。ご高齢の方や運動が苦手な方でも、無理なく取り組めるプログラムをご用意しています。
心臓リハビリテーションは、心臓の病気を持つ方が自分らしい生活を取り戻すための大切な治療です。「心臓が悪いから運動できない」と諦めている方、手術後に体力が落ちたと感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。